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奥能登国際芸術祭2023

      2024/01/09

石川県珠洲市で開催されている奥能登国際芸術祭2023に行ってきました。今年は3回目となります。2017年、2020年と3年ぶりの開催です。会期は、9月23日から11月12日までの51日間です。
日本海に飛び出している能登半島の先端に位置する珠洲市は「さいはて」の地ですが、そこで「美術の最先端」の催しが14の国と地域から59組が参加して展開されています。すべてを鑑賞することはできませんでしたが、その中でも感動作2作品を紹介したいと思います。共に制作は2017年です。6年経過しても色あせしない素晴らしい維持力にも、珠洲市市民のとくにお年寄り集団によるボランティア精神に過疎化対策の未来を感じたりもしました。

一つ目は、ドイツ人トビアス・レーベルガー氏による「なにか他にできる」です。この作品は、国鉄能登線の終着駅であった蛸島駅の線路跡に、カラフルな鉄の四角いフレームが過去・現在・未来を結ぶタイムトンネルのように渦巻状に設置されています。まさに幻想的です。実際に残されている線路を200メートルばかり歩きました。スタンドバイミーの少年たちの様な気分に浸りました。「なにか他にできる」ことは歩いてみないとわからないです。ぜひ、現地に行って歩いてみてください。
二つ目は、日本人の塩田千春氏による「時を運ぶ舟」です。この作品は、大谷の塩田(えんでん)と同じ名前の塩田(しおた)氏が、木作りの舟を土台にして赤い毛糸を旧保育所の一室に張り巡らした非常にインパクトのある作品です。奥能登国際芸術祭2023の冊子の表紙になっています。赤い毛糸は人と人のつながりを空間に表現する意図があると、ボランティアのおじさんが教えてくれました。まさに舟から天井に湧き上がるような赤い糸は、中島みゆきの「糸」ではありませんが、なんともいえない「つながり」を感じさせてくれました。これもぜひご自身の目で見ていただきたいと思います。塩田氏はこの作品を制作した2017年に癌の摘出手術をして、現在ドイツのベルリンに夫と暮らしているようです。黒い毛糸を使用した作品もあり、空間アーティストとして世界的な方のようです。

つくづく思いますが、現地に行って現物を自分の目で見ることの大切さをあらためて認識した3日間でした。蛇足になりますが、のどぐろは食することがことができませんでしたが、八目という魚と出会うことができました。メバルの仲間のようですが、とてもおいしくて白菊という純米酒が進んでしまいました。また必ず行ってみたいと思います。

 

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