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令和4年度からの法改正について

   

長期化するコロナ禍の中、早いもので新年度がスタートしました。国の制度では、この4月から施行される制度がいくつかあります。改正民法では、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。クレジットカードの契約や賃貸借の契約など、今まで保護者の同意が必要であったことが、18歳以上からは単独で契約等ができるようになります。未成年を理由に取消しができたことが、18歳以上からは取消しができなくなり契約は有効になります。今後はトラブルを防止するためにも、いろいろなことで注意が必要になってくることと思います。

 

さて、今回は、令和4年度から改正される制度の中で、年金関係や雇用・労働関係に関して重要とされる事項についてまとめてみましたのでお伝えします。

 

年金関係

1・年金の受給開始時期の選択肢の拡大→現行の60歳〜70歳の受給開始年齢が60歳〜75歳の間に拡大されます。

2・繰上げ受給の減額率の見直し→1月あたり減額率が現行の0.5%から0.4%になりました。

3・在職老齢年金制度の見直し→60歳から64歳に支給される特別支給の老齢厚生年金の受給者を対象とした在職老齢年金制度の支給停止基準額を現行の28万円から47万円に引き上げられます。

4・配偶者加給年金の支給要件の改正→現行は配偶者が老齢厚生年金の受給権者(被保険者期間20年以上)である場合、配偶者が在職老齢年金の調整で全額支給停止されている場合に本人の加給年金は支給されていましたが、改正後は配偶者の年金が全額支給停止であった場合でも、配偶者が受給権者であれば、加給年金は支給停止となります。

5・年金手帳が基礎年金番号通知書へ変更→令和4年4月以降、新たに年金制度に加入する方、年金手帳の紛失等により、再発行を希望する方が対象です。

 

 

 

雇用・労働関係

1・雇用保険料率の引き上げ→4月〜9月と10月〜3月と2段階に引き上げられます。労働者負担分については、10月からの引き上げとなります。

2・育児休業制度等の改正→育児休業を取得しやすい雇用環境の整備及び妊娠・出産の申し出をした労働者への個別の周知・意向確認の措置が義務化になります。また、1年未満の有期雇用契約者も育児休業・介護休業の取得が可能になります。(労使協定で対象外にすることは可能)

3・パワハラ防止法によるパワハラ防止措置の義務化→現行の大企業のみから中小企業にも義務化されます。

4・労災保険の特別加入制度の対象拡大→あん摩マッサージ指圧師・はり師又はきゅう師が行う事業が追加されます。

5・女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画策定等の義務企業の拡大→現行では労働者数が301人以上の企業に対して当該計画策定・届出・情報公表が義務付けられていますが、対象企業が労働者数101人以上300人以下の企業にも義務付けられます。

 

以上、4月1日からの法改正についてお伝えしましたが、これらの法改正は企業の実務に影響がある可能性がありますので、事業主の方や担当者の方は、改正される内容をしっかりと把握し、適正な対応ができるようにしておく必要があるでしょう。

 

 

 

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