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■中国の労働時間について(鈴木)

      2016/02/21

暑い日が続いていますが、皆様どのようにお過ごしでしょうか?
先日中国西安生まれの友人から、「名古屋生まれの人は、名古屋の夏は暑くないの?」と聞かれました。もちろん、暑いよと答えたのですが、名古屋の人は暑さが気にならないと思っていたようです。暑いものは暑いですよね?
中国と日本の違いについてよく話をするのですが、働くことについて話をしたことがあります。
「日本人は残業好きだよね?中国は定時になったら、みんな帰るよ」と言われました。てっきり、仕事に関する考え方の違いなのだと思っていたのですが、どうやらそうではなかったようです。
調べてみると、「中華人民共和国労働契約法」に時間外労働に対する法律上の制限が課せられているようなのです。
・1日の労働時間が8時間を超えないこと。
・一週間の平均労働時間が40時間を超えないこと。
・一日8時間を超えて労働させる場合は時間外労働となる。
そして、時間外労働については
・労働時間を延長する場合通常1日に1時間を超えてはいけない。
・特別に必要な場合、健康に注意するという条件のもと3時間を超えない範囲で延長は可能、ただし1カ月の労働時間が36時間を超えてはならない。
また、労働時間を延長する場合には、労働組合及び労働者と協議が必要とされており、労働者が拒否しているのに時間外労働をさせたり、法定労働時間内に到底完了できないノルマを課して、強制的に時間外労働をさせることはできない、とされています。
ついでに、少しばかり時間外労働の割増料金についてですが、
・平日の場合、賃金の150パーセントを下回らない金額。
・土日等の休日の場合、代休を与えるか賃金に200パーセントを下回らない金額。
・法定祝日日の場合、賃金の300パーセントを下回らない金額を支払うものとされています。
一方で、「裁量労働時間制」というものも、存在しています。法律上の労働時間制限を採用できない場合の措置ですが、労働行政部門において各労働者の適用期間、休業の手配、賃金、要求する労働時間の申告をして許可を経なければならないとなっています。
これにより、残業代の支払いは必要なくなりますが、細かな制約があること、法定休日や祝日に労働させる場合には賃金の300パーセントを下回らない金額を支払わなければならないなど注意する点は多々あるようです。

「定時でみんな帰るよ」、というのはこういった背景も存在するのかもしれません。
一方で、労働時間は日本より長いというデータも存在するので、実際とのころはどうなのか、機械があれば聞いてみようと思います。

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