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■休暇取得日数と消化率(原田)

      2016/02/21

皆様、初めまして。今回が初の情報こらむです。
4月から労務管理センターでお世話になっています。至らない点が多々あるかと思いますが、日々勉強と思い精進していきますので、何卒お手柔らかにお願いします。

さて、去る5月23日、国会で8月11日を「山の日」として2016年から祝日とする改正祝日法が制定されました。ニュースでも大きく取り上げられたこの件はご存知の方も多いでしょう。
8月に祝日が出来るのは初めてのことで、これにより日本の年間祝日は15日から16日に増えました。今回のニュースを見て、「日本の休日って多いの?少ないの?」と気になった方もきっといらっしゃいますよね。
そこで今回は、「休日」についての事柄をいくつか調べました。

そもそも「日本人は働き過ぎ」というのは世界的にも共通の認識のようですが、世界から見て日本の休日日数ってどれくらいの位置づけなのでしょうか。
2013年にオンラインホテル予約サイト大手「Hotels.com(ホテルズドットコム)」が有給休暇と土・日曜を除く祝日等の公休日(振替休日含む)を調べたデータによると、日本は30カ国中20位タイ。
やっぱり下から数えた方が早かった。
ただしこのデータ、(1)平均的な年次有給休暇日数、(2) 2013年の祝日+銀行休日を併せた数字なので、(1)・(2) を個別で見ると日本は祝日の数だけならトップ5に入ります。
では、日本企業での有休消化率はどれくらいなのか?
東洋経済のCSR調査による民間企業768社の年次有休休暇取得率は平均51.0%。
なんと付与されている有休の約半分ほどしか取得できていないという結果です。
当然、企業によって取得率は違ってきますが、取得率90%を超えるのは10社程度しかありませんでした。日本企業で有休休暇をフル取得するというのは難しいようです。
結果を見ると祝日や有休休暇を消化できている社会人はあまり多くないと言えますし、休日出勤、サービス残業などを含めると、日本人の休日は今回のデータ以上に少ないかもしれません。
ちなみに、休暇を多く取得するのはヨーロッパ諸国で、アジア諸国はあまり休暇を取っていない傾向にあるようです。
アジア諸国に限って言えば、日本は比較的休暇を取れている国とも言えます。現在のアジア諸国の目覚ましい経済発展に今回の結果が関わっているかは一概には判じかねますが、要因のひとつと言えるのかもしれません。

次は業種別休日について。
DODA調べによる休日の少ない業種1位はコンビニエンスストア、次いで外食・レストラン、芸能・芸術。どの業種も年中無休、長時間営業あるいは24時間営業という営業形態、また消費者へのサービス提供という点で、カレンダーにある休日と呼ばれる日での休みが取り辛いのかもしれません。
休みが取れない不満による離職率の上昇は、どの企業も常に抱える問題です。特に大手牛丼チェーン店での人員不足による休業については記憶に新しいところです。人員不足による既存スタッフへの負担増加は、更なる離職、人員不足に拍車をかけかねません。人員と休日に関する問題解消というのはなかなか根の深いものがあります。
反して、休日の多い業種は1位が自動車・輸送機器メーカー、2位が電子・電気部品・半導体メーカー、3位が医療機器メーカー。メーカー系が上位を独占していますが、これはお盆や年末年始に長期間に渡って休暇を設ける企業が多いことが理由のようです。

嘘か真か、「イタリアには『お疲れ様です』という言葉はない。何故なら疲れるほど働かないから」というお話を耳にしたことがありますが、日本人にはまず存在しない感覚ですよね。
国民の気質とでも言うのでしょうか。
上記に上げた休暇に関するデータから見ても冒頭で述べた「日本人は働き過ぎ」というのは強ち間違ってはいないようですが、日本人特有の「残業休出をたくさんする人間が偉い」という感覚も今後直さなければいけないことのように思います。
皆さんはしっかりとお休みを取って、心身ともにリフレッシュ出来ていますか?

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