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■休職・復職・再休職は性悪説で!

      2016/02/21

昨今私どもの事務所には、精神疾患に罹った社員の対応についてご相談が毎週のようにあります。当該社員の特徴は次のとおりです。
□ 自分は特別だと思っている(漠然とした万能感)
□ 人から認められたいという強い願望がある
□ その気になれば出来るという根拠のない自信家
□ 期限に終わらせることに強いストレスを感じる
□ 協調性に欠ける
□ 決まりごとや暗黙のルールに対する反発感嫌悪感
□ 出来ない・納得のいかないことを他人の責にする
その度に思うのですが、入社間もない、または3年も経過していない社員の問題行動について工場長とか総務部長とか営業部長とか“偉い方”がたくさんお越しになります。“ひとりの社員”のことで給与の高い方たちが一様に頭を抱えて見えます。私は心配になってしまいます。“本来の業務はどうなっているのだろうか?”この方たちが役割として担っている仕事は、ここで頭を抱えていることではないはずです。なぜ、こんなことになってしまうのか。
その答えは、休職規定にありました。当該ご相談会社における規定の課題は次のとおりです。
¨ 社員が休職を願い出る「休職願」だけの規定になっている
¨ 精神疾患と精神疾患以外の業務外の傷病を同様に扱っている
¨ 同一または類似傷病に限って欠勤・休職期間の通算をみとめていない
¨ 「今まで会社に貢献してくれた社員への制度」という休職の趣旨を外れた者に利用される休職規定になっている
¨ 復職にあたって主治医と本人の判断だけで復職できる制度になっている
¨ 何度も復職、休職を繰り返すことが可能な規定になっている
これらを解決するために“過激すぎる”規定(規則例)をお勧めします。会社には、使用者の義務として「職場環境配慮義務」があります。一人の問題社員のために複数以上の健常社員が迷惑を被りストレスを抱えることは、文字通り“職場環境の悪化”となります。会社は、いち早く問題社員を職場から取り除き環境を保全しなければならないのです。

それと、会社が最も避けなければならないリスクが「労災認定」です。当該社員は、残業やパワハラを無理やり結び付けてきます。目的は、「解雇制限」です。労働時間の過重性やストレスの捌け口による人格を無視した言動がなければ、労働基準監督署に同行して白黒を明確するのも対応のひとつです。そのためにも提案した規定を当社の顧問先である会社には導入をしていただいております。ただ、社員=性善説に立つ会社にはここまでの規定は必要ないかもしれません。もちろん、当社でも全ての社員に対して、性悪説を唱えているわけではありません。問題社員対応としてあえて考えた規定です。“今まで貢献してくれた社員”に対しては、適正な医師による早期診断早期治療への援助、休職期間の延長、復職時の短時間勤務等配慮いただければと思います。ちなみに“助けてあげたい社員”は次のような方です。
□ 仕事熱心              □ 完璧主義
□ 真面目で几帳面な性格        □ 責任感が強い
□ 協調性があり、他人に気を遣う    □ 頼みごとをされたら、イヤと言えない

(休職)
第○条  試用期間経過後の従業員が次の各号の一に該当する場合は、休職を命じる。ただし、第2号の傷病が休職期間中の療養によって完全なる労務提供が出来る状態に回復する可能性が低い場合には、休職を命ずることなく、普通解雇することがある。なお、完全なる労務提供とは、契約通りの業務を健康時と同様に独力で出勤し、欠勤・遅刻・早退がなく所定労働時間こなすことができ、業務に支障が生じない状態をいう。以下同様とする。
1, 精神の疾患を除く私傷病による私事欠勤により2か月以上連続または断続して完全なる労務提供ができないとき。
2, 精神の疾患により、1か月以上連続または断続して完全なる労務提供ができないとき。
3, 会社の承認を得て、公職についたとき。
4, 会社業務の都合によるとき。
5, 休職を願い出て許可されたとき。
(2) 前項の休職期間は、次のとおりとする(休職期間中、連続または断続して完全なる労務提供ができない場合は、休職期間の中断とみなさない)。
第1号の場合   勤続2年未満の者  2ヵ月
勤続5年未満の者  4ヵ月
勤続10年未満の者  6ヵ月
勤続10年以上の者 8ヵ月
第2号の場合            2ヵ月
第3号から第5号の場合     必要な期間
(3) 会社が特に認めた場合は、前項の期間を延長することがある。
(4) 休職中の従業員は、毎月1回会社が定める日に現況報告をしなければならない。
(5) 休職期間中(第1項第4号を除く)は、賃金を支払わず勤続年数に算入しない。
(6) 休職期間中の健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、住民税等であって、従業員の給与から通常控除されるものについては、あらかじめ決めた徴収方法により指定期限までに会社に支払わなければならない。

(復職)
第○条  休職期間が満了し完全なる労務提供ができると会社が判断した従業員については、直ちに復職させる。
(2) 会社は、休職期間満了前であっても休職事由が消滅し完全なる労務提供ができ、復帰可能と認められるときは復職させることがある。この場合、当該従業員は復職願を提出し復職の時期その他の詳細について会社の指示に従わなければならない。
(3) 私傷病による休職者が復職する場合は、医師の診断書を提出しなければならない。この場合、医師について会社が指定することがある。なお、従業員が正当な理由なくこれを拒否した場合には、従業員が提出した診断書を休職事由が消滅したか否かの判断材料として採用しないことがある。また、会社が指定した医師が、従業員の主治医に意見を聞くことに正当な理由なく同意しない場合も同様とする。
(4) 本条の定めによって復職させる場合には原則として従前の職場に復帰させることとする。ただし、会社が必要と認めるときは旧職務と異なる職務に配置することがある。
(5) 休職事由が消滅し、会社が復職を命じたにもかかわらず正当な理由なく復職しない場合には、復職発令の日に退職の意思表示があったものとして取り扱う。
(6) 休職期間が満了しても休職事由が消滅しない場合は、休職期間の満了の日をもって自然退職とする。
(7) 診断書の発行において手数料等の費用が必要となる場合は、主治医のものについては、従業員の負担とし、会社が指定する医師の場合は会社負担とする。

(再休職)
第○条  私傷病休職による休職者で、復職後1か月以上完全なる労務提供をすることなく再び休職を命じられた場合は、前回の休職期間を通算し休職期間の更新は行わない。なおその際は、会社が請求した場合には欠勤・遅刻・早退理由を明らかにする書類等を提出しなければならない。

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