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キャリアコンサルティングの活用について

      2025/11/07

厚生労働省が委託事業として行っている「キャリア形成・リスキリング推進事業」をご存じですか。今年度は、株式会社パソナが委託を受け、運営をしています。

仕事への向き合い方やキャリア形成の悩みを話し、それを元に今後自分があるべき姿について考え、そのためにはどうすればいいのかを探していくといった内容で、無料でキャリアコンサルティングを受けることができます。個人だけではなく、企業や学校関係者対象にも支援をしている事業です。

キャリアコンサルティングというと、教育訓練受講前に受けたり、定年後のセカンドライフに向けて受けるイメージもあるかもしれませんが、自分らしい働き方をするために専門家からの助言を受けるものであり、どなたでも受けることができます。

個人の場合は、下記サイト「訓練前キャリアコンサルティングの予約に進む」ボタンから面談の予約をします。面談は、対面とオンライン面談の2つが用意されています。

https://carigaku.mhlw.go.jp/icc/ccformmenu/ccform2-flow/

面談当日までに、職務経歴シートやキャリア・プランシートなどのジョブ・カードを作成する必要があります。記入項目が多いので、様式を見ただけでは正直気が進まないのですが、案外書き始めると「これまでの自分史」の振り返りができ、冷静に見つめなおすことができます。

私は、これまでの職場ごとに“在籍中にはこんなことあったな”と思い出しながら「案外いろんな経験を積んで頑張ってきたんだね」と自分自身を肯定的に捉えられました。

コンサルティングは質問形式で進み、考えさせられるもので、コンサルタントから受け身でアドバイスを受けることができるものではありません。あくまでも主体は自分なので、対話を通じて、これから仕事をする中で、どう成長しどんな姿になりたいのかをイメージしていきました。

1時間半くらいの枠でしたが、あっという間に1時間が過ぎていました。話を聞いてもらえるだけで、自分の中の整理ができるとよく言いますが、まさにそんな時間でした。「じゃぁどうすればいいと思いますか」「できると思いますか」などの声掛けが続きます。

職場の上司だと、当事者同士であるがために躊躇するかもしれない内容でも、今日初めて会い、現在の職場のことも知らない、これまでの私のキャリアも知らない人が相手なので、正直な気持ちを話せたと思います。

企業に勤め、その会社の利益に繋がる仕事をすることで、正当な評価を得て、利益が賃金に還元されるという成長のスパイラルを描くには、どのような能力形成が必要なのでしょうか。

当社へのご相談の中で、従業員の定着率について悩まれる会社も少なくありません。数か月や早ければ数週間で辞める人も多い中、今後に期待をしていた従業員から突然退職願を受け取ってショックを受ける経営者のお話も聞きます。

「キャリア形成・リスキリング推進事業」の企業支援を利用することで、個々人の情報を企業が得ることはできません。しかしながら、複数名がコンサルティングしてもらうことで、自社従業員の“総まとめ”としての傾向はフィードバックされます。

従業員の思いを元に、できる内容から経営者が着手することで、自社の強みを見出せるものです。自社の強みが分かれば、求人にも活かせ、従業員の定着率向上に繋がり、会社が活性化する…そんな成長のスパイラルが期待できます。

せっかく同じ時期を共にして働くのですから、従業員の皆さんには「この会社で自分が目指したいこと、貢献したいこと」を考えながらコンサルティングを受けていただくことをお勧めします。

個人、そして企業共に将来設計を築くためにも、無料である今は、充分利用価値がある事業だと思います。

 

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