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思いやりのある職場環境づくりを目指して

      2022/01/05

あけましておめでとうございます。新年最初のコラム担当も、なんと今年で3年連続となりました。コラムは7人で担当しているので、偶然というよりも必然の巡りあわせかもしれませんが、年明けでもありますし「私は今年もツイテいる」と思っています。

さて、今年の法改正も、1月1日施行の健康保険傷病手当金支給期間の通算化、雇用保険マルチジョブホルダー制度の新設等に始まり、4月1日施行では育児介護休業法の改正、女性活躍推進法の改正、中小企業へのパワーハラスメント対策の義務化等、続々と施行されます。

女性活躍推進法の改正については、昨年のコラムでも紹介しましたが、今は「常時雇用する労働者“301人以上”の事業主」に義務付けられている「一般事業主行動計画の策定・届出及び自社の女性活躍に関する情報公開」が、“101人以上”の事業主に拡大されます。

◆2021/04/09  掲載コラム

https://www.jinjiken.co.jp/archives/custom_column/2348

最近は、健康経営や各種認証制度でも、数値目標を掲げる内容の取組が多く求められますが、漠然と「職場環境をよくするぞ」と掲げても、その計画が進んでいるのか達成できたのか分かりづらく、行動する(取組む)従業員からすると日に日にモチベーションが下がっていくものです。目標を確実に達成するためには、まずは現状数値の把握は、とても大事な作業です。

女性活躍推進法については、

  • 採用者に占める女性比率又は労働者に占める女性比率の把握
  • 平均勤続年数の男女比の把握
  • 月別の平均残業時間数の把握
  • 管理職(課長以上で役員を除く)に占める女性比率の把握

から始めます。その数値を基に、自社の課題分析を行い、目標を決めていきます。自社で議論して決定することが一番いい方法ではありますが、労働局のパンフレットでは、把握した数値に対しての目標例が載っていますので、目標設定のヒントとして、ぜひご利用ください。

◆女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画策定かんたんガイド/愛知労働局

https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/content/contents/000974640.pdf

「常時雇用する労働者数”301人以上”の事業主」向けには、令和2年4月1日以降に開始する行動計画の策定から「自社の女性活躍に関する情報の公表」の強化が始まっていますので、既に着手されている事業主様も多いと思われます。

皆さんはこの時限立法である「女性活躍推進法」をどのように捉えられますか。生産年齢人口の減少が叫ばれる中、もっと多くの女性が社会進出することで、労働力を確保すべきことは理解できます。しかしながら、政策とは逆に、パートタイマーで充分だと思う女性が多いのはどうしてなのでしょうか。

ちょうど12月が「ハラスメント撲滅月間」ということで、先月の中日新聞朝刊の県内版に、女性が受けた飲み会の席でのセクハラや、昇格時の揶揄についての記事が載っていました。日本のジェンダーギャップ指数は、世界でみてもかなり低い順位です。

最近では、ハイヒール問題もありましたね。メイクをしないことで「女性らしくない」と言われたかと思えば、男性がメイクをすることに「男のくせに」と言われたり、子供を持つ母親は「子供が可哀そう」と仕事をすることを非難されたり、男性の育児休業も「俺の時は仕事に没頭した」と取得を阻まれたり…

同じ“働く”者同士、尊重し合うことが重要で、年齢の差も、男女の違いも、在籍年数の差も、時代の流れと共に何かの壁にはなってはいけないということではないでしょうか。法律で決まったことだから、遵守のためだけに計画するのではなく、本当の意味での職場環境改善の必要性を、改めて考えるべき時に差し掛かっています。

“3人のレンガ職人”のイソップ寓話ではありませんが、「あなたはどうしてこの仕事をやっているのですか」と自分自身に問いかけて下さい。会社で構成される一つ一つの仕事は大切であり、その一つ一つを「何のため」に行うかの捉え方で成果が全く違うものになっていきます。能動的に捉えることで、見え方も180度変わることもあります。受動的では不満にも繋がりやすく、ストレスもたまるので、ハラスメントに発展する可能性も考えられます。

社会人1年目の時に、「誰かがやってくれるからと、小さい仕事を疎かにする人は成長できない。誰もが気付き、誰もが小さな仕事を続けることで、その企業は大きく成長する。」とよく言われたものです。見えないだろうと手を抜けば、成果に表れるということです。

新型コロナウイルスで打撃を受けた分、新たな取組みに着手することで、多くの企業が回復し、さらなる成長をする年になるよう、私も一人の労働者として励みます。

本年も、どうぞ皆様よろしくお願い致します。

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