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近未来社会に向けて

   

緊急事態宣言が解除され、最近になり少しずつ日常が戻りつつあると思っていた矢先に、再び新型コロナウィルスの感染者数が増加傾向にあり、今後への影響が心配される日々が続いています。PCR検査数が増えたことによる影響との見方もありますが、通勤電車内の人数も戻りつつあり、人と人との接触機会が増えたのも事実です。

緊急事態宣言が出され、慌てて在宅勤務を導入された企業も多いと思いますが、十分な準備期間がなかった分、取り決め内容が曖昧で、コミュニケーションがこれまで通りに取れず、結局余計な仕事が増えたり、生産性が低下したりといった状況に悩まされ「リモートワーク疲れ」という言葉まで出ましたね。

しかしながら、在宅勤務を今回初めて経験された方の約8割が、在宅勤務を続けたいという日本能率協会の調査結果があります。

■新型コロナウィルス感染症に関連するビジネスパーソン意識調査結果(2~3頁参照)/日本能率協会

https://jma-news.com/wp-content/uploads/2020/05/43ca5deeb14469b9dc78bb7e5b8321e0.pdf

確かに首都圏に通勤していた人が、長時間の電車に拘束されることなく、自宅で変わらず仕事ができるとすると、その通勤に使っていた時間を家族と過ごしたり、趣味に充てたりできるので、昨今言われる「ワークライフバランス」の観点からも理想的なスタイルだと思います。

第2波に備え、テレワークができる環境整備を進めておくことは必要ではないでしょうか。自社の仕事の中で、まずはテレワークが可能かどうかの選別から始めてください。ある程度のパソコンスキルと周辺機器の取扱いの知識も必要なので、既に知識のある人だけに限定するのか、全社一斉に教育を行うのかも、検討する大事な内容です。

テレワーク規程も、案外条文が多くなるものですが、労使双方が疲れない「リモートワーク」を実現させたいものです。

先日、私は初めて社に居ながら「Webセミナー」を受講しました。これまでのようなセミナー会場までの往復時間が不要なので、セミナー開催時間のみ、社内の別室に籠っただけで済み、前後の仕事への影響も最小限で済んだので、非常に満足度が高かったです。

セミナーによっては、チャットで質問もできるので、会場受講と変わらないのではと思えたほどです。著名人のセミナーなら、会いたさだけで同じ会場へ出向きたい気持ちもありますが。

レジュメが画面上に表示され、講師がマウスポインタを当てながら説明するので、今どこを見ればよいのかも分かりやすいですし、ページも講師がスライドしていくので、どのページをめくればよいのか分からなくなる心配もありませんでした。

今回はリアルタイムのみだったのですが、以前に受けたWebセミナーは、配信サービスがあるものだったので、自分の空いた時間を使って小分けで視聴することができ、聞き取りづらかったところはすぐに早戻ししてもう一度聞けるので、理解を深めるにもいいものでした。これまでもeラーニングはあったのに、Webセミナーがなかったのが不思議です。

この自粛期間中に、芸能人もYouTubeチャンネルを開設する人やInstagramでのライブ配信などが増えたそうですが、これからは情報発信の方法も、様変わりするかもしれませんね。Web面接も、学生を中心に増えることでしょう。

内閣府の調査の中に、60歳以上のシニアを対象とした「ビデオ通話の利用」について出ていますが、使い方が分からず、ビデオ通話を利用したことがない人の6割以上が今後は利用したいと回答しています。

■新型コロナウィルス感染症の影響下における 生活意識・行動の変化に関する調査(30頁参照)/内閣府

https://www5.cao.go.jp/keizai2/manzoku/pdf/shiryo2.pdf

現役世代はなおさら、今後は取引先との打ち合わせもビデオ通話で行われる機会も増えていくと思います。遠隔地へわざわざ出向くよりも、一日で東京も大阪も、海外の人とも会えるビデオ通話は、確かに便利ですね。正にドラえもんの「どこでもドア」感覚です。ドローンは「タケコプター」とも言われていますね。

その土地に降り立ち、五感を働かせることも大切なことなので、いつかリアル「どこでもドア」もできるのでしょうか。これまで通りの日常プラス未来型の日常も、選択肢として持てるよう、頭は柔軟にしておきたいものです。

ただ、従業員が「リモート疲れ」にならないように、この機会に「健康経営」にも取り組まれることもお勧めします。

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