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新型コロナウイルス感染症による国民健康保険料の減免措置について

      2020/05/25

日本に緊急事態宣言が発令されてから2か月近くになりますが、各都道府県では徐々に解除がされており、一番感染者数の多かった東京都でも先日のニュースでは一桁台になり、ほっとした国民の皆さんは多いのではないでしょうか。まだまだ油断はできませんが、このまま終息してくれることを願いたいものです。今後は、感染予防にも今までどおり注意をしながら、経済を復活させていかなければいけません。

そんな中、政府は新型コロナウイルス感染症の影響を受けた国民に対して、雇用と生活を守るための経済対策を打ち出しており、その内容は、税金や保険料の支払いの猶予や減免、事業継続のための資金の貸し付け、返済不要の現金給付など様々な対策を行っています。その政策のひとつに、自営業者の人や非正規雇用の人が加入している国民健康保険料の減免措置があります。もともと、国民健康保険法の第77条では、「保険者は、条例又は規約の定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる」と、保険料の減免等について定められていましたが、今回打ち出された『新型コロナウイルス感染症緊急経済対策』では、新型コロナウイルス感染症により、生活が困窮してしまった世帯や個人への支援のひとつとして「感染症の影響により一定程度収入が下がった方々等に対して、国民健康保険、国民年金等の保険料の免除等」の措置が盛り込まれました。

 

国民健康保険料の減免を受けられるには、次の要件に該当する場合です。

1・国民健康保険の被保険者である世帯主自身が新型コロナウイルス感染症に感染し、死亡又は重症となったため、国民健康保険料の納付が困難となった世帯

→対象となる期間の保険料の全額が免除となります。

2・新型コロナウイルス感染症の影響に伴う経済活動の自粛等により、世帯主の令和2年2月以降の収入が減少し、国民健康保険料の納付が困難となった世帯で、次の3つの要件を満たす場合です。

(1)今年の見込み事業収入等(事業、不動産、山林又は給与収入)のいずれかの減少額が、前年の収入の3割以上であること。

(2)前年合計所得額が1,000万円以下であること。

(3)減少した事業収入等の所得以外(例えば株式の配当などのその他の所得)が400万円以下であること。

これらの要件を満たした場合、国民健康保険料が減免されます。減免額は前年の所得によって異なり、2割減から10割の減免になります。前年所得が300万以下であれば、全額免除の対象になると思われます。

 

健康保険料の減免措置は、通常は、収入減の証明をしなければいけないのですが、今回は緊急事態であるため、減収幅は実際の額ではなく、見込みでもよいとされています。

国民健康保険料の減免措置は、各市町村の条例や規約によって決められているため、もともと減免措置を行うための制度が整っていないところもあるそうです。しかし、今回の新型コロナウイルス感染症の影響による保険料の減免については、条例や規約のない自治体に対しても、国が、速やかに対応策を整備することを指示しているので、全国の市町村で保険料の減免は受けられることになります。

申請手続きについては、各市町村へ「国民健康保険料減免申請書」 等の書類を出すことになりますので、詳しくは、住民登録をしている各市町村へお問い合わせいただくか、ホームページ等で確認してください。市町村によっては、要件等が変更になる可能性もあります。

助成金や給付金、支払いの猶予の申請など、すべて書類の手続きが必要であり、申請することが大変なことと思われますが、徐々に手続きが緩和されている場合もあります。どんな制度を利用できるのかの情報を収集して、該当するのであれば、早めに申請をし、少しでもこの危機を乗り切るために活用していただきたいと思います。

 

 

 

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