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熱中症対策はできていますか。

      2016/07/08

7月に入り、ここ東海では梅雨は明けたのではないかと思うほど暑い日が続いています。

今年の冬に、この夏は猛暑との予測が出たときには、寒いときに夏の暑さなんて関係ないと思っていましたが、ここ最近の暑さでようやく実感しつつあります。まるで蟻とキリギリスの逆季節バージョンです。

毎年皆さんも、熱中症には気を付けていらっしゃるとは思いますが、今年も病院に搬送されたというニュースも早くから出ていましたね。5月や6月などは、急激な気温の上昇に、体が慣れていない(熱への順化)のも原因のようで、低い温度でも発症するそうです。

屋外だけではなく、風通しの悪い室内などでも発症し、最悪の場合は死に至るほど危険な熱中症には、十分な対策をしておきましょう。建設業労働災害防止協会のサイトで「自分で出来る簡単熱中症危険度判定チャート」が紹介されていますのでぜひご利用下さい。

では、熱中症になった場合、近くに居る人たちは何をすればよいのでしょうか。熱中症は症状別にI度、II度、III度に分けられ、段階的な救急措置法があります。

◆危険性小 I度(熱けいれん)めまい、筋肉の硬直、大量の発汗

涼しい場所に移動させ、衣服を緩めて、塩分を含んだ経口補水液を飲ませる。

◆ 危険性中 II度(熱疲労)頭痛、吐き気、倦怠感

顔が赤ければ頭を高く、顔が青白ければ脚を高くして寝かせ、首筋、脇の下、脚の付け根などの太い血管の上に保冷剤などをあてて体を冷やす。

◆危険性大 III度(熱射病)意識障害、痙攣、高体温

すぐに救急車を呼ぶ。

なお、意識がないときや朦朧としているときに水分を摂らせようとするのは気管支や肺に水分が入る可能性があり危険なため、十分な注意が必要です。

熱中症対策にはスポーツドリンクを飲むのがよいと言われていますが、市販のアイソトニック飲料であれば2~3倍に薄めたものか、市販のハイポトニック飲料がよいそうです。アイソトニック飲料やハイポトニック飲料で検索をすると、身近な市販品が沢山出てくるので、1種類だけでも覚えておくか常備されることをお勧めします。

暑い場所で仕事をされる方は、熱中症の自覚症状が現れたらすぐに休憩できる、涼しい休憩場所を事前に確保して下さい。

また、熱中症は昼間だけでなく、帰宅後、一人になってから発症する危険性もあるため、体温が高くなった場合は早めに冷房の効いた涼しいところで、平熱に下がるまでは一人きりにならずに休むことも必要だとされています。

仕事中に熱中症の症状があり、医療期間を受診された場合は、『療養補償給付たる療養の給付請求書(様式5号)』を医療機関経由で所轄の監督署に提出されると同時に、『熱中症に関する申立書』の提出が必要です。

熱中症が起こり得る作業環境(日当たり、風通し、温湿度の記録、水分塩分補給状況などの記載必要)であったことが確認され、頭蓋内出血、脳貧血、てんかん等による意識障害等との鑑別診断の上、熱中症にかかった原因が仕事であると判断された場合に、労災と認定されるとのことです。

熱への順化にも対応できるように、日頃から適度な運動を心がけ、十分な睡眠と体調管理を怠らないことも大切です。本格的な暑さがくるこの時期にできることを、一人一人が心掛け、今年の夏も熱中症にならずに乗り切りましょう。

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