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■時間外労働の原因

      2016/02/09

時間外労働は会社の業務を円滑に遂行するために時として必要なものです。また図らずとも所定時間外労働におけるコミュニケーションによって人間関係が構築されることもあります。しかしながら、長時間の時間外労働が状態化している会社にとっては人件費の増加や未払い賃金における指導リスク、健康への影響とその扱いによっては会社にとってデメリットも発生する側面があります。

御社に“望まない”または“妥当でない”ため削減するべき時間外労働が発生している場合、その原因は何でしょうか?
その原因は以下の4つに分類できます。

1.個人の意識に原因がある
・時間の使い方にムダがあり、仕事が終わらない
・時間外手当が欲しいために、無駄に時間外労働をする
・時間内で仕事を終わらせるという意識がもとよりない
・優先順位を判断できない

2.上司のマネジメントに原因がある
・優秀な部下に業務を集中させてしまう
・部下に対する仕事の指示があいまい、必要のない仕事も部下に振ってしまっている
・管理職である社員の長時間労働が常態化している
・上司が部下の正確な残業時間や業務を把握していない

3.企業風土に原因がある
・労働時間が長い社員ほど評価されるという認識があり、時間外労働が長くなりがちになるという風土がある
・長時間の会議が頻繁にあり、社内資料作成などの業務が膨大化している
・特別の理由がある場合以外に、早めの退社や年休取得を行いにくい雰囲気がある

4.会社の仕組みに原因がある
・時間外労働の申請ルールが明確になっておらず、残業の可否を管理職が確認していない
・フレックスタイム制や裁量労働制を導入した結果、かえって社員の働き方にメリハリがなくなっている
・会社が提唱する「ノー残業デー」を実行していない

例えば、上司が部下に『早く帰れ』と声をかけたとき、上司は“仕事のやり方が悪い、その業務は明日でもできるだろ”と心の中で思い、言われた部下は“明日の業務のために早めに片付けているのに、上司は仕事も把握してくれていない”と心の中で思います。時間外労働の削減・減少を目指す場合、その原因は複数あることを知っておかなければ、あー言えば、こー言うで解決はしません。種類を認識して、1つずつまたは1つでも解決していくことが効果的と言えます。

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