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記録の保存について

   

労働基準法では使用者に対して、労働者ごとに労働者名簿や賃金台帳等の整備を義務付けており、その保存期間も定められています。今回コラムでは、代表的な保管書類について紹介します。

 

■労働者名簿

事業場ごとに、労働者名簿を調製し、各記載事項を記入しなければなりません。記載事項は、氏名、生年月日、履歴、性別、住所、従事する業務の種類、雇入れ日、退職日と退職理由、死亡日と死亡原因になります。

保存期間は、対象労働者の退職、死亡した日より3年間です。

→注意点は、退職に伴って破棄しないよう注意し、退職日・退職理由の記載も忘れないようにしましょう。

 

■賃金台帳

すべての労働者について作成義務があり、氏名、性別、賃金計算期間、労働日数、労働時間数、時間外と休日と深夜の各労働時間数、基本給と各手当の額、控除した額(保険料や税金、労使協定で控除するものなど)に記載が必要になります。

保存期間は、最後の記入した日から3年間です。

→注意点は、時間外、休日、深夜の各労働時間数・その額をしっかりと区別して記載する必要があります。

 

■出勤簿

法律の中では明記されていませんが、ガイドラインで重要な書類と明記されています。記入事項は、氏名、出勤日、始業終業時刻、休憩と残業時間になります。

→注意点は、出勤日の押印だけでなく、時刻までしっかりと記載し、賃金台帳と同様に最低でも3年間の保存を推奨します。

 

■年次有給休暇管理簿

平成31年より、新しく作成が義務付けされました。記入事項は労働者ごとの付与日、付与日数、取得日になります。

保存期間は、当該年次有給休暇期間の満了日より5年間です。

→注意点は、取得した日や付与した日が●月でなく、令和●年●月●日部分まで正確に記載し、管理する必要があります。

 

労働基準法の改正により令和2年4月より保存義務の期間が3年から5年に延長されています。ただし、経過措置により当分の間は3年間のままとされています。年次有給休暇の管理簿は5年になります。

 

その他にも、雇入れ・退職に関する書類、災害補償に関する書類、その他労働関係の重要書類は5年間(当分の間は3年間)の保存義務があります。

 

データ保存でされている会社が多くなり、消去しない限り半永久的に保存されたままかと思います。実務上、保存期間以上に残している場合も散見されますが、退職者の個人情報(マイナンバーや健康診断結果)が残ったままの状態も考えられますので、その点もご留意ください。

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