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有給休暇、取得していますか。

   

ご自身の職場での有給休暇の取得方法は、ご存知ですか。残念ながら今でも「有給休暇がない」と言う話を周りの知人から聞くことがあります。

現在、日本の有給休暇取得率は50%を切っているとの統計が出ていますが、付与日数が日本よりも多い、ドイツ・イギリス・フランスなどの国では、取得率がほぼ100%と言われています。この取得率は、一年に付与される日数に対して、何日有給休暇を取得したかで計算されています。

ご存知の方が多いとは思いますが改めて・・・

有給休暇とは、心身の疲労を回復し、ゆとりある生活を保障するために付与される休暇のことで、「有給」で休むことができる、取得しても賃金が減額されない休暇のことです。

「うちは小さい所だから有給休暇はない」は全くの勘違いで、事業場の業種や規模に関わらず、全ての事業場の労働者に適用されます。この労働者には、パート、アルバイト、外国人技能実習生等も含まれます。

有給休暇については労働基準法第三十七条の年次有給休暇の中で、

「使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。」

と定められています。

条件に合えば、まず入社半年で10日(十労働日)付与され、その一年後には「一労働日」を加算した11日・・・と付与日数についても同条で定められています。パート、アルバイト等、週の所定労働時間が30時間未満かつ週の所定労働日数が少ない労働者の付与日数については比例付与という方法で付与日数が決められています。

半日単位の有給休暇については、労使協定が締結されていなくても、労働者の希望と使用者の同意があれば付与することは可能ですが、「半日」をどのように区切るのかは、トラブルを避ける意味でも、就業規則の中でしっかりと取り決めておく必要があります。

休憩時間を挟んだ「午前・午後」で区切るのか、午前と午後に労働時間の差がある場合は「所定労働時間を2で割る」のか、といった内容です。

最近では時間単位の有給休暇について、耳にすることが増えました。この時間単位については、平成22年4月に施行された「改正労働基準法」によるもので、こちらは半日単位と違い、労使協定の締結が必要なものです。そして年に5日が限度であることも注意が必要です。

分単位での有給休暇は認められていないため、1時間未満の端数は切り上げる必要あります。

所定労働時間が7.5時間の場合、この時間単位の有給休暇は0.5時間分の端数を1時間に切り上げ8時間×5日分­=40時間となります。5日分の37.5時間を切り上げて38時間になるわけではないところにも注意が必要です。

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例えば、所定労働時間が8時間で、有給休暇が10日あり、時間単位有給休暇の労使協定がある場合の残日数・残時間数管理は、

10日(うち5日は時間単位)

5時間の時間単位有給休暇取得      9日(うち4日は時間単位) 3時間残

1日の有給休暇取得           8日(うち4日は時間単位) 3時間残

6時間の時間単位有給休暇取得      7日(うち3日は時間単位) 5時間残

となります。

そして、育児・介護による時短勤務等で、一年の途中で所定労働時間が6時間に変更された場合の有給休暇の残日数・残時間数は、

7日(うち3日は時間単位) 4時間残

に変わります。

残日数はそのままですが、残時間数は「残時間数÷元の所定労働時間×変更後の所定労働時間」で計算し、1時間未満の端数は切り上げます。例で言うと、

残時間数の5時間 ÷ 元の所定労働時間の8時間 × 変更後の所定労働時間の6時間

の計算式となり、1時間未満の端数を切り上げて「4時間」が残時間数となるわけです。


また、残時間数については翌年度に繰越すことはできず、あくまでも年に5日が限度であることに変わりがありません。

時間単位の有給休暇に支払われる賃金額は、

  1. 平均賃金
  2. 所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
  3. 標準報酬日額(労使協定要)

のいずれかで取り決められている有給休暇の賃金額を、その日の所定労働時間数で割った額になります。

そのため時間帯によって時給が変わる方の場合であっても、時間単位の有給休暇取得の際に、時間帯別の計算がされるわけではありません。

このように、普段何気なく取得している有給休暇も実はさまざまな取り決めが必要なものです。実際に時間単位の有給休暇の管理を行っていらっしゃる人事、総務担当者の方の事務処理はかなり煩雑なのではないでしょうか。有給休暇は本来、暦日(午前0時から午後12時までの24時間)で付与すべきものですので、半日単位、時間単位の導入の際には、管理方法をしっかりと取り決めておくこともとても重要です。

担当者に任せきりにするのではなく、労働者個々でも自身の有給休暇残日数・残時間数を管理し、双方で管理できる方法を取るのもよいのではないでしょうか。せっかくある有給休暇は、時効で消滅させてしまうのではなく、ご自身で、計画的に有意義な利用をしませんか。

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