労務相談、管理者研修、未払い残業代請求対策なら労務管理センター

「働き方改革実行計画(案)」の公表

   

一億総活躍社会実現に向け、昨年度末(3月28日)に具体的な指針となる「働き方改革実行計画(案)」が働き方実現会議より公表されました。

本計画(案)において、やはり我々は「同一労働同一賃金」に伴う処遇改善の項目や、「長時間労働の是正」について注目していました。今回はこの「長時間労働の是正」について注目します。

現状、36協定に特別条項を締結することで、無制限に時間外・休日労働を課すことができてしまう点が問題視されていました。今回以下の様に上限規制の指針が公表されました。

□実行計画案まとめ

  • 原則月45時間、かつ、年 360 時間とし、違反には以下の特例の場合を除いて罰則を課す。
  • 臨時的な特別の事情がある場合として、労使が合意して労使協定を結ぶ場合においても、上回ることができない時間外労働時間を年720時間(月平均60時間)とする
  • 年720時間以内において、一時的に事務量が増加する場合について、最低限上回ることのできない上限を以下のように設ける

①2ヵ月~6ヵ月の平均で、いずれにおいても、休日労働を含んで「80時間以内」とする

②単月では、休日労働を含んで「100時間未満」とする

③特例の適用は、年半分を上回らないよう、「年6回」を上限とする

○自動車の運転業務

・改正法の一般則の施行期日の5年後に、年 960 時間(=月平均 80 時 間)以内の規制を適用することとし、かつ、将来的には一般則の適用を目指す旨の規定を設ける

○建設事業

・改正法の一般則の施 行期日の5年後に、罰則付き上限規制の一般則を適用する(ただし、復旧・ 復興の場合については、単月で 100 時間未満、2ヵ月ないし6ヵ月の平均で 80 時間以内の条件は適用しない)

・併せて、将来的には一般則の適用を目指す旨の規定を設けることとする

○医師

・改正法の施行期日 の5年後を目途に規制を適用することとする

・2年後を目途に規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等について検討し、結論を得る

○新技術、新商品等の研究開発の業務

・医師による面接指導、代替休暇の付与など実効性のある健康確保措置を課すことを前提に、現行制度で対象となっている範囲を超えた職種に拡大することのないよう、その対象を明確化した上で適用除外とする

以上、実行計画の文言を一部抜粋しながら記載しました。政府は4月以降、労働政策審議会で法制化の議論に着手し、労働基準法改正案など関連法案の今国会提出を目指します。法案審議は秋の臨時国会以降になる見通しで、法施行は春闘などでの労使協議も考慮し、早ければ施行予定は2年後の「2019年4月」なります。労働時間の数字を中心にご確認ください。

 -