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定時決定について

   

だんだん暑い日が多くなってきましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。今年は長期予報によると、例年に比べて特に暑い夏となるようです。体調管理と熱中症対策を万全になさってください。

 

さて、今日は社会保険の定時決定について述べたいと思います。毎年、労働保険の年度更新と併せて社会保険の標準報酬月額を決めなおす算定基礎届を7月10日までに提出することになっています。今年は暦の関係で7月11日(月)が期限となります。

被保険者の標準報酬月額は、まず入社時(資格取得時)に決定され、その後の標準報酬月額は、毎年1回の定時(7月1日)に決定し、その後の報酬に著しい変動がない限りは、1年間(9月から翌年8月まで)は固定化し、翌年の定時決定まで変更しないこととなっています。毎年7月1日現に使用される事業所において、『報酬月額の算定』の額を報酬月額として、標準報酬月額を決定します。

『報酬月額の算定』とは、通常4、5、6月に支払われた報酬総額をその期間の月数で除して得た額です。支払い日が翌月の事業所の場合注意が必要です。この場合4、5、6月に支払われたものは3月給与、4月給与、5月給与となります。実態は何月分に属しようとも、実際に4、5、6月に支払われた報酬をいいます。

 

算定から除外される月について

被保険者が欠勤した場合など、報酬支払基礎日数が17日未満の月は、除外されます。例えば5月の支払基礎日数が17日未満だった場合は、4月と6月の2カ月で計算することとなります。

 

4月、5月、6月入社の場合

入社日の関係で4月の報酬がない場合は、5月、6月の2カ月で計算し、4月、5月の報酬がない場合は6月の1カ月で計算します。6月入社の場合には定時決定は行われず、資格取得時決定が優先され、翌年8月まで持ち越しとなりますのでご注意ください。算定基礎届の届出は必要ありません。

7月から9月までのいずれかの月から随時決定、育児休業等を終了した際の改定又は産前産後休業を終了した際の改定が行われる場合も定時決定が行われません。なぜなら、定時決定による額と同じ額になるために定時決定を行う必要がないからです。

 

短時間労働者に係る定時決定の算定方法のまとめ

① 支払基礎日数が3カ月とも17日以上ある場合⇒カ月の報酬月額の平均額により算出

② 支払基礎日数が1カ月でも17日以上ある場合⇒17日以上の月の報酬月額の平均額により算出

③ 支払基礎日数が3カ月とも15日以上17日未満の場合⇒3カ月の報酬月額の平均額により算出

④ 支払基礎日数が1カ月または2カ月は15日以上17日未満の場合(ただし、②の場合を除く)⇒15日以上17日未満の月の平均額により算出

⑤ 支払基礎日数が3カ月とも15日未満の場合⇒従前の標準報酬月額で決定

70歳以上被用者の届出

在職中の給与に応じた老齢厚生年金の支給停止(在職老齢年金)は、厚生年金保険の被保険者とならない70歳以上の在職者にも適用されます。よって、事業主は、過去に厚生年金の被保険者期間があり、常時使用される70歳以上の人について『厚生年金保険70歳以上被用者 該当・不該当届』を提出する必要があります。また定時決定・随時改定・賞与支払いに該当するものとして『厚生年金保険70歳以上被用者算定基礎・月額変更・賞与支払い届』等を届け出ることとなっています。この規定は、従来、昭和12年4月2日以降生まれの人が対象でしたが、平成27年10月より昭和12年4月1日以前生まれの人にも適用となりました。なお、75歳未満の人は健康保険の被保険者となりますので、通常の算定基礎届などによる届出も必要となってきますのでご注意ください。

 

夏はすぐそこまできました。夏休みに旅行など予定される方も多いかと思いますが、楽しい予定の前に体調を崩されぬよう、体調には気を付けて日々のお仕事の山を乗り切りましょう。

 

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