「 静かな退職 」とエンゲージメント
近年、職場で「静かな退職」という言葉が注目されています。
退職届を出さず、欠勤もせず、表面上は勤務を続けながらも、“ 必要最低限の仕事しかしない状態 ” に陥った社員のことを指します。
しかし、静かな退職は単なる意欲低下ではなく、組織に対するエンゲージメントの低下が原因で起きる現象です。エンゲージメントとは、「会社・仕事に対して主体的に関わり、貢献したいと感じる心理状態」です。
エンゲージメントが低下すると、
〈エンゲージメント低下 → 行動変容 → 静かな退職〉
という流れが発生します。
静かな退職に見られる具体的なサインとしては、
・任された職務の範囲だけをこなし、新しい仕事や追加の業務には一切手をださない
・無理な残業や休日出勤を避け、勤務時間外の業務連絡にもまったく応じない
・昇進や成果より安定や私生活を優先し、キャリアアップへの関心や成長意欲が低下している
・会議やチーム内での発言が減り、最低限のコミュニケーションしかしない
・業務効率化や改善提案を自ら行なわず、消極的な姿勢が続く
・リーダー職や新しい役割に立候補しない、やりたがらない
・チーム内外のイベントや飲み会に消極的(時間外労働申請をしてくる)
・勤怠は乱れていないが、出社・退勤は常に定時
・目立った業務成果はないが、与えられた業務は淡々とこなしている
などです。
そこで 組織として取るべき エンゲージメント向上策として
① コミュニケーション改善
(1)キャリアや体調などの悩みを傾聴し、社員が抱える問題を早期に発見する
(2)日常業務の貢献を具体的に伝え、承認されている実感を醸成する
(3)会社全体の方向性や感謝を社員に伝え、一体感を高めるようにする
② 制度・環境の整備
(1)公平な評価が得られることで、過剰労働や不満の芽を抑制する
(2)目標や成長機会を明確化し、社員が将来の見通しを持てるようにする
(3)失敗を恐れず意見を出せる環境をつくることで、主体的な行動を促進する
(4)過度な負担を軽減し、持続可能な働き方を支援する
③ 現状把握と意識改革
(1)社員の満足度や不満点を把握し、改善策に反映する
(2)静かな退職を「社員からのサイン」と捉え、トップ自ら改善策に取り組む姿勢を示す
をあげることができます。
ただ、実務的に一番ポイントとなるのは、管理職のマネジメント力の向上だと思います。
そのための5つの視点を紹介したいと思います。
(1)安易な命令や朝令暮改を意識的に回避すること
(2)説得によって部下を屈服させられるとは思わないこと
(3)形式にこだわらない“ 社内の約束事 ”を蓄積して行くこと
(4)約束事に“ 非合法 ”という決定的な弱点を持たせないこと
(5)上記(3)を整備した後も「対話姿勢」と「改善姿勢」を持ち続けること
とくに、(3)に関しては、
チーム内で「こうしよう!」と上司部下が相互に納得し合える約束を文書化してチーム内に公開することから始めるのが効果的だと思います。
組織貢献できる人材はたくさんいます。「工夫」が必要なだけです。弊社(8人チーム)でも実践していきます。
















