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障害者雇用

   

障害者の雇用に関し企業に課される義務は、障害者雇用促進法によって定められています。すべての事業主は、障害者雇用率制度によって同法に定められた法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務を持っています。法定雇用率は、障害者雇用促進法によって、少なくとも5年に1度は見直されることとなっています。精神障害者が実雇用率の算定に加えられた2006年を経て、民間企業の法定雇用率は2.0%に引き上げられたのが2013年。そこから2018年は、ちょうど5年後にあたります。2018年4月から民間企業の障害者雇用率が2.2%に引き上げられたことに伴い、障害者を雇用しなければならない事業主の範囲が50人以上から45.5人以上に拡大されました。さらに、2020年度末までには、法定雇用率が2.3%に引き上げとなります。そのため中小企業においても、障害者雇用に対する取り組みが一層強化されることと重要になってきます。

法定雇用率に達しない場合、その企業を管轄する職業安定所長から障害者の雇入計画作成命令などの行政指導を受けることとなります。また、常時雇用している労働者が100人を超える企業が法定雇用率を満たしていない場合には、不足している雇用障害者数1人あたり月額5万円(減額特例が適用になる場合は4万円)の障害者雇用納付金が徴収されます。この障害者雇用納付金は障害者を雇用する義務の代替ではなく、納付金を収めたとしてもその企業は引き続き障害者を雇用して、法定雇用率を上回る努力をしなければなりません。このような措置を受けた後にも、正当な理由なく障害者の雇用状況が改善されない企業には、制裁としてその企業名が公表されることがあります。2016年には2社の社名公表がなされました。

事業主は以下の計算により算出する「法定雇用障害者数」以上の障害者を雇用する必要があります。※1人未満の端数がある場合は端数を切り捨てた値となります。

法定雇用障害者数=常用労働者数×障害者法定雇用率

常用労働者数とは、期間の定めなく雇用されている労働者、また有期契約で雇用されている労働者のなかで事実上1年を超えて雇用されている、もしくは今後雇用されることが見込まれる労働者も含まれます。算定は企業単位で行う為、支店、工場などの複数の事業所を有す会社は、各事業所で法定雇用率を満たしている必要はありませんが、全事業所を合計して障害者の雇用率が定められた割合を上回らなければなりません。

◆障害者雇用率制度に適用される障害者の確認方法◆

身体障害者・・・地方自治体から交付される「身体障害者手帳」

知的障害者・・・地方自治体から交付される「療育手帳」、「愛護手帳」、専門機関等による判定書

精神障害者・・・地方自治体から交付される「精神障害者保健福祉手帳」(2年更新)

障害者雇用に初めて取り組む場合には、障害の特性、どのような仕事が任せられるのか、勤務時間や給与面などの労働条件であったりとわからない点が多いです。まず企業においては専任の担当者やチームを決めて対応し、ハローワークや地域障害者センターなど、専門機関を活用していくことも障害者雇用の促進につながっていく一つの方法になるのではないでしょうか。

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