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時間外労働について

   

昨今、大手企業による長時間労働による労災案件が大きく報道され、長時間労働の問題についてお問い合わせいただく機会が増えましたので、今回は時間外労働についてまとめてみたいと思います。

 

労働基準法上、時間外・休日労働が許されるのは、①時間外・休日労働協定(いわゆる36協定)、②非常事由による時間外・休日労働(労働基準監督署の許可を要する)及び③公務のための時間外・休日労働の3つに分類されます。このうち①時間外・休日労働協定は多くの企業において、状態に近いといえるほど広範かつ大量に行われております。

 

時間外・休日労働協定による場合

要件

・労使協定を締結すること

・上記の労使協定を所轄労働基準監督署に届け出ること

協定内容

①時間外又は休日労働させる必要のある具体的事由

②業務の種類

③労働者の数

④1日及び1日を超える一定の期間についての延長することができる時間又は労働させることのできる休日

⑤有効期間の定め

以上、①から⑤の事項を協定しなければなりません。

 

④→1日及び1日を超える一定の期間の取り扱いの区分

労使当事者は、④の1日及び1日を超える一定の期間(以下「一定期間」という)についての延長することのできる時間を定めるにあたっては、当該一定期間は1日を超え3カ月以内の期間及び1年間としなければならないとされております。

例えば、「1日2時間、1カ月45時間、1年間360時間」といった具合に延長時間を定めることとなります。

上記の時間(1日についての定めを除く)については限度基準が設けられており、1カ月45時間、1年360時間(1年単位の変形労働時間制の場合の限度基準は、1カ月42時間、1年間320時間)となっています。この基準を超えた場合には直ちに無効とはなりませんが、必要な助言及び指導が行われることとなっています。

 

特別条項付き協定

あらかじめ、限度時間以内の時間の一定期間についての延長時間を定め、かつ限度時間を超えて労働時間を延長しなければならない特別の事情(臨時的なものに限る)が生じたときに限り、一定期間についての延長時間を定めた当該期間ごとに、労使当事者間において定める手続きを経て、限度時間を超える一定の時間まで労働時間を延長することができる旨及び限度時間を超える一定の時間の労働に係る割増賃金の率を定めた場合は、当該一定期間についての延長時間は、限度時間を超える時間とすることができる。

 

この特別条項の延長できる時間についてお問い合わせいただくことがあります。お仕事の内容によって「特別な事情」は様々であるため一概に申し上げることはできませんが、労働者の体の負担や、労災認定基準を考慮すると1カ月に70時間程度(多くても80時間以内)に抑えるべきであると考えます。今月、労働基準監督署に36協定を提出した際には、「特別条項について延長することができる時間をできるだけ短くするように努めてください。」と案内文が交付され指導がありました。常態として上記の時間以上の時間外労働を行っている場合において、70時間以下の協定を結ぶことは36協定違反となるリスクがありますので注意が必要ですが、労働時間の短縮は、社員の健康や企業の生産性の向上に繋がることと思います。長時間労働の是正や多様な働き方に向けた取り組み「働き改革」を実践していきたいものです。

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