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■メンタルの不調を感じたら

      2016/02/21

メンタルヘルスの不調・・・つまり精神疾患か否かは、医学的判断を要するものであり、医師が判断すべきものです。

そんなメンタルヘルスの不調について、本人から申告がない場合であっても、会社は職場の安全配慮義務を負っている以上、そのまま放置することは宜しくなく、従業員の職場に於ける異変について適切に記録し対応する必要があると考えます。

申告がない故に、職場秩序を乱すような状況を直ちに注意指導を行うのではなく、所属上長が面談を通し(その際、精神疾患か否かは医学的な判断を伴うもの故、精神疾患と決めつける発言は慎む必要があると考えます)、必要な対応を執らなければならいと考えます。

所属上長等の面談を経て、医師等の検診の受診を命令したいところですが、就業規則に受信命令および病医・医師の指定について規定されておるでしょうか?医師の選択の自由が労働者にあることが前提となっておりますが、健康の回復・維持を目的とする合理的、相当なものと肯定される場合には使用者が病院・医師を指定できるとされた判例(電電公社帯広局事件 最判S61.3.13)もあり、また、労働者の選択した医療機関の診断結果に疑問があることについて合理的な理由がある場合には、会社の指定する病院・医師の受診を命令することができるといった判例(空港グランドビルサービス・日航事件 東京地判H3.3.22)もあるので、就業規則への規定は漏らさないようにしておきたいですね。

受診に応じず、医師の診断結果を得られない場合には、素人が「精神疾患」として捉える事が出来ない、と。つまり、精神疾患疑惑?な状況であっても医学的判断が得られない場合には「精神疾患」ではない為、職場に於ける通常の労働を提供できない状況には、勤務態度不良等に該当し、注意・指導の対象であり、注意・指導を行っても改善されない(直ちに懲戒処分を行うことは、場合によっては不適切と判断される可能性が高いと考えます)場合には、懲戒処分の対象となりうることを労使共通の認識とする必要があると考えます。

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